【家を相続する場合】手続きの仕方や相続税などを解説!よくある疑問もチェック
親族が亡くなった後、家を相続する人もいらっしゃることと思います。「家の相続手続きは何から始めればいいのか」「誰も住まない家は放置していいのか」と疑問に思うことも多いでしょう。分からないからといって相続を後回しにすると、トラブルが起きるかもしれません。そこで、今回は家の相続に関する手続きの方法や相続税などについて解説します。家の相続に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
家の相続に重要な手続き「相続登記」
家を相続する場合に、重要な手続きとなるのが「相続登記」です。
相続登記とは?
相続登記とは、「相続による所有権登記」のことです。土地や建物の所有主が亡くなった際に、所有していた土地や建物の名義を相続人に変更するための手続きです。相続登記に手続き期限はありませんが、相続登記をしないままでいると、家を売却したいときにすぐにできないなどのデメリットがあります。
相続登記に必要な書類
遺言書が残されている場合は、まずは有効な遺言書であるか確認しましょう。検認は家庭裁判所に請求すれば可能です。相続登記をする際には、相続登記申請書と必要書類の提出が求められます。相続登記申請書に記載する内容は以下の通りです。
●登記の目的
●原因
●被相続人、相続人の氏名
●添付書類の情報
●課税価格
●登録免許税
●不動産の表示(不動産番号や所在地、地積など)
添付書類には主に次のようなものがあります。各書類によって取得費用や取得場所が異なるため、くわしくはマエダハウジング不動産のスタッフにお尋ねください。
●遺言書
●検認済証明書(※公正証書遺言以外の場合)
●被相続人の除籍謄本
●被相続人の住民票または戸籍の附票
●不動産を受け取る人の戸籍謄本と住民票の写し
●固定資産評価証明書
戸籍謄本等の原本を返却希望される方は、「相続関係説明図」の提出が有効です。
相続登記にかかる費用
相続登記にかかる費用は、必要書類を取得する際にかかります。必要書類の取得にかかる費用は約1~3万円です。特に費用がかかるのは、被相続人の出生から死亡までが分かる連続した戸籍謄本を集めるときです。被相続人が遠方に住んでいた場合は、書類を取得するために郵送費がかかることもあるでしょう。
行政書士や司法書士などに依頼すれば、おおよその書類は代行で取得してもらえます。依頼料は家の数や評価額などによって変わりますが、一般的な相場は6~13万円程度です。作成といった依頼内容が増えれば費用はかさみます。依頼費用を節約したい方は、必要書類の取り寄せはご自身で行うと良いでしょう。
家の相続で発生する「相続税」
土地や建物を相続する際に発生するのが相続税です。
相続税とは
相続税とは、被相続人からお金や土地などの財産を受け取ったときにかかる税金です。相続税は財産を引き継いだ相続人に課税されます。相続人になるのは被相続人の配偶者で、配偶者以外の人は次の順位で相続人になります。
≪相続人の優先順位≫
第1順位…被相続人の子供
第2順位…被相続人の直系尊属(父母・祖父母など)
第3順位…被相続人の兄弟姉妹
相続税の計算方法
相続税は相続財産に必ずかかるのではなく、相続額から借金や葬式費用などを差し引いた額が、基礎控除額を超えるときにかかります。基本の計算式は次の通りです。
●課税遺産総額=課税財産(相続税の対象となる財産)-基礎控除額
●基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人には、被相続人の配偶者や子供、兄弟姉妹、親などが含まれます。例えば、3人家族で夫が亡くなった場合、法定相続人は妻と子供の2人になります。そのため、基礎控除額は4,200万円です。
3,000万円+600万円×2=4,200万円>
課税遺産総額が基礎控除額を下回る場合、相続税の申告は必要ありません。相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続分で割ります。相続分は相続人の種類によって次のように決まっています。養子がいる場合は、法定のルールに沿った人数だけしか相続人になれない点に注意しましょう。
≪相続の振り分け≫
●配偶者のみ…全額総額
●配偶者と子供…配偶者1/2、子供1/2
●配偶者と父母…配偶者2/3、父母1/3
●配偶者と兄弟姉妹…配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
≪相続税の速算表≫
法定相続分に応ずる取得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
― |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
2億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円以下 |
45% |
2,700万円 |
6億円以下 |
50% |
4,200万円 |
6億円超 |
55% |
7,200万円 |
相続税以外にかかる税金
家を相続すると、不動産取得税や固定資産税などの税金がかかることもあります。いろいろな種類の税金を理解し、見落とさないようにしなければなりません。
不動産取得税 |
不動産を購入したり、贈与を受けたりした場合 |
不動産譲渡税 |
<不動産を売却し、利益が発生した場合 |
贈与税 |
不動産の贈与を受けた場合 |
固定資産税 |
不動産を所有している場合 |
消費税 |
不動産を購入した場合 |
登録免許税 |
不動産の名義変更をする場合 |
家の相続を行う流れ
家を相続する際の基本的な流れを解説していきます。
遺言書の確認
遺言書の有無によって、家の相続手続きの流れは大きく変わります。死後できるだけ速やかに遺言書の有無を確認しましょう。遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。公正証書遺言以外は家庭裁判所での検認が必要です。遺言書があっても、検認によって無効となる場合がある点には気を付けましょう。
自筆証書遺言 |
公正証書遺言 |
秘密証書遺言 |
|
作成者 |
本人 |
公証人 |
本人(代筆も可能) |
証人 |
不要 |
2人以上 |
2人以上 |
家庭裁判所の検認 |
必要 ※法務局に預けている場合は不要 |
不要 |
必要 |
保管方法 |
本人 |
原本は公証役場 |
本人 |
費用 |
0円 |
16,000円~ |
11,000円 |
メリットやデメリット |
●手軽に作成でき費用もほとんどかからない ●無効になりやすい |
●費用と手間がかかる ●無効になりにくい ●紛失のリスクが少ない |
●内容を秘密にできる ●無効になる可能性がある |
相続人や相続財産について調査する
相続人は被相続人の子供や親、兄弟姉妹などが該当します。被相続人の出生から死亡までが分かる全ての戸籍謄本を集め、候補者を調査していきましょう。相続人が結婚や離婚、養子縁組などをしていれば、複数箇所で戸籍謄本を取得しなければなりません。相続人がすでに亡くなっている場合は、同人の相続人を確認する必要があるので、相続人の戸籍取得が不可欠です。
また相続財産の調査も速やかに行いましょう。相続財産には、土地や建物といった不動産はもちろん、預貯金、生命保険の積立金、債券、株式などの有価証券なども含まれます。相続財産には借金や住宅ローンなどの負債も含まれるので、注意してください。
必要に応じて遺産分割協議を行う
遺言書がない場合は、相続人全員で話し合って割合を決める「遺産分割協議」を行わなければなりません。遺産分割協議では、相続人全員の合意を得ることが必要です。死後何年も経つと相続人の範囲が拡大したり、相続財産が散逸したりする可能性があります。
相続登記を行う
遺産分割協議を終えて必要書類が揃ったら、法務局で相続登記を行いましょう。登記申請書と登録免許税の用意が必要です。相続登記を終えると、家を売却したいときに役立ちます。これまでに紹介した注意点を踏まえ、早めに登記を完了するのがおすすめです。
家の相続での注意点は?
手続きの期限についてしっかり確認すること
家やマンションなどの相続を受けた場合は、確定申告や相続税の申告をしなければなりません。それぞれの手続きには期限があり、もし期限を過ぎたら延滞税や無申告加算税などの罰則が発生します。必要な納税額を確認し、期限内に手続きをすませましょう。
共有分割は避けること
共有分割とは、遺産の全てまたは一部を複数の相続人で共有する方法です。家は簡単に分割できないため、共有分割される場合が多いです。しかし、共有分割では全員の合意がないと売却できなかったり、相続税の負担が重くなったりするデメリットがあります。
相続財産の分割を適切に行うこと
相続人の範囲、遺産の範囲、分割方法などを明らかにすることが大切です。相続人全員が遺産分割協議に参加し、合意を得なければなりません。遺産の中で家が占める割合が大きい場合、相続の配分によってトラブルが生じる可能性が高いです。相続人だけで解決しないときは、弁護士に相談するのが良いでしょう。
家の相続でよくある疑問・質問は?
最後に、家の相続でよくある疑問・質問にお答えしていきます。
「家の相続放棄はできる?」
家を相続することが決まっても、正当な手続きをすれば相続放棄は可能です。相続放棄すれば、固定資産税の支払い義務はありません。相続放棄後に次の相続人が管理を始めるまでは、財産管理を続けていく必要があります。
「居住中の家を処分せずに、相続は行える?」
夫婦のいずれかが亡くなった際に、「配偶者居住権」を利用すれば、残された配偶者が自宅に無償で住み続けられます。処分せずに相続を行う方法としては、住んでいる家の価値を割り出し、他の相続人に相当の金額を払う「代償分割」が一般的です。
「家の相続税対策として生前贈与は有効?」
相続税対策として、家を生前贈与することは可能です。「不動産贈与契約書」を作成し、法務局で登記申請を行います。家を贈与する際にもいろいろな税が発生しますが、控除制度をうまく活用すれば、納税額を抑えられるケースもあります。
家を売却するならマエダハウジング不動産へ
今回は土地や建物の相続についてご紹介しました。相続にはさまざまな手順が必要になるので、自力で進めていくのは難しいこともあるかもしれません。マエダハウジング不動産では、マンション、一戸建て、土地の売却・買取を行っております。スピード対応でご相談を受けたその日にご訪問することも可能です。広島市で家の売却をお考えの方は、マエダハウジング不動産にぜひお気軽にご相談ください。