【一戸建ての売却】売るときの流れや費用相場、成功のコツを解説
「子どもが独立したから家を住み替えたい」「相続した物件を手放したい」など、一戸建てを売却する理由はさまざまです。「家を売る」という経験はほとんどの方が初めてで、「何からスタートすれば良いのか分からない」という声も少なくありません。そこでこの記事では、一戸建てを売却するときの流れや費用相場、成功のコツなどをくわしく紹介していきます。これから一戸建てを売却予定の方は是非ご一読ください。
一戸建て売却の流れ!相場調査から確定申告まで
まずは、一戸建ての売却手順から確認していきましょう。
1.一戸建ての売却相場を調べる
2.不動産会社に査定依頼をする
3.不動産会社と媒介契約を締結する
4.売却活動をスタートする
5.買主と売買契約を締結する
6.物件を引渡して決済する
7.確定申告を行う
とくに一戸建ての売却では、適正価格を知ることが大切です。不動産会社に売却査定を依頼する前にご自身で相場を調べておくと良いでしょう。一戸建ての相場は「レインズマーケットインフォメーション」や「土地総合情報システム」などを利用すると、インターネット上で調べることが可能です。
一戸建てを売る前に気をつけたいポイント
一戸建てを売却する前には、次のポイントに注意しましょう。
売却スケジュールの確認
一戸建ての売却には、およそ6ヶ月の期間が必要といわれています。そのため、ある程度余裕をもって売却スケジュールを立てましょう。
また、売却目的に応じて期間内にすべきことが変わります。例えば、住み替えを目的とした売却であれば、住宅ローンの残債や購入資金などをどのように工面するか検討していく必要があります。こうした作業に追われると、時間はあっという間に過ぎていくため、事前にするべきことを洗い出してしっかりとスケジュール管理を行いましょう。
必要書類の準備
一戸建てを売却するには、以下の書類が必要です。
<一戸建ての売却時に必ず用意しなければならない書類>
書類名 |
入手方法 |
土地・建物登記済証(権利証) または登記識別情報 |
不動産持ち主が所有 |
身分証明書 |
不動産持ち主が所有 |
間取り図 |
不動産持ち主が所有(紛失時は仲介会社に相談) |
建築確認済証・検査済証 |
不動産持ち主が所有(新築物件として購入したときに入手したもの) |
地積測量図・境界確認書 |
不動産持ち主が所有(紛失時は法務局に相談) |
固定資産税納税・都市計画税納税通知書 |
不動産持ち主が所有 |
印鑑証明書(実印) |
居住地の役所で入手 |
固定資産評価証明書 |
居住地の役所もしくは仲介会社に依頼して手配 |
預金通帳 |
不動産持ち主が所有 |
必ず用意しなければならない書類が手元にない場合は、家の売却が行えない可能性もあります。そのため家の売却を決めたら、少しずつ書類を揃えておくと良いでしょう。
名義人の確認
一戸建てを売却するときには、土地と建物の名義人の確認が必要です。
とくに遺産相続した一戸建ての場合、名義人を変更する義務がないため、亡くなった方の名義のままである可能性があります。この場合は、相続した方に所有権を移す相続登記を終えてから売却手続きを進めましょう。また、共同名義の一戸建ての場合は、共同名義人と一緒に話を進める必要があります。
このように、誰が所有している不動産なのかは、一戸建ての売却で注視されるポイントです。登記簿謄本や登記識別情報通知などを確認し、現状を正しく確認してから一戸建ての売却を行いましょう。
土地の境界線の確認
一戸建てを売却するときには、土地の境界も確認しておきます。とくに、築数十年以上経っている一戸建ては、境界があいまいになっていることが少なくありません。
中には、隣家の屋根の一部が境界を越えていたり、境界ブロックの真ん中が境界になっていたりするケースもあるのです。この場合、買主が将来的な境界トラブルを懸念して購入を辞退する可能性も考えられます。そのため、一戸建てを売却するときには、あらかじめ境界を確認しておきましょう。
一戸建ての売却査定で重視されるポイント
一戸建ての売却では、不動産会社に査定依頼をします。査定には登記簿謄本などの書類で判断する「机上査定」と、実際に物件を見て行う「訪問査定」があり、後者のほうが精度の高い査定価格が期待できます。
訪問査定では以下のポイントが重視されているため、事前に準備しておくと良い印象を与えやすくなるでしょう。
1.建物の維持・メンテナンス状況
2.水回りのデザイン性や仕様(キッチン・浴室・トイレなど)
3.床の傾きや雨漏りの有無
4.浴室交換などのリフォーム履歴
5.過去の土地利用履歴
6.周辺環境や敷地との高低差
7.日当たりや眺望、騒音などの住環境
8.建物に関する書類の有無
9.境界の状態
10.所有者の確認
不動産会社との媒介契約でのポイント
査定を終えると、不動産会社との媒介契約へと進みます。
媒介契約の種類
媒介契約は、「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」「専任媒介契約」の3種類に分けられます。どの契約にするかは売却時に何を重視するかで売主が選択しましょう。
例えば、早めに買主を見つけたいなら不動産会社1社とだけ契約する「専属専任媒介契約」が向いています。この契約方法であれば、契約有効期限が3ヶ月と決まっているため、早期に買主を見つけてもらえる可能性が高まるでしょう。
また、駅から近い人気エリアにある築浅一戸建てのような物件ならば、複数の不動産会社と契約する「一般媒介契約」がおすすめです。人気エリアであれば買主が見つかりやすいため、複数の不動産の中からより良い条件で売却できるところを選ぶことができます。
迷ったときにはそれぞれの良いところを掛け合わせた「専任媒介契約」を選ぶのも1つの手です。契約できる不動産会社は1社ですが、買主を自力で見つけたときでも契約が結べます。これらの特徴を踏まえて、自分に合った媒介契約を選びましょう。
媒介契約に必要な書類
媒介契約時に必ず用意しなければならないのは、印鑑と身分証明書です。この他、以下の書類があるとスムーズに進みやすいでしょう。
<媒介契約時にあると望ましい書類>
書類名 |
入手方法 |
ローン償還表 |
不動産持ち主が所有(住宅ローン残債がある場合のみ) |
土地・建物登記済証(権利証)または登記識別情報 |
不動産持ち主が所有 |
間取り図 |
不動産持ち主が所有 |
建築確認済証・検査済証 |
不動産持ち主が所有(新築物件として購入したときに入手したもの) |
地積測量図・境界確認書 |
不動産持ち主が所有(紛失時は法務局に相談) |
新築販売時の広告など |
不動産持ち主が所有していれば |
建築設計図書・工事記録書 |
不動産持ち主が所有していれば |
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書 |
不動産持ち主が所有していれば |
地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書 |
不動産持ち主が所有していれば |
一戸建て売却活動で「売れない」ときに注目したいポイント
不動産会社との媒介契約を終えると、売却活動がスタートします。売却活動にはインターネットでの募集や価格交渉などがありますが、中でも成功の鍵を握っているのが内覧です。とくに、次のポイントを押さえておくと内覧時に良い印象を与えやすいでしょう。
1.部屋は掃除しておく
2.生活感がでないよう配慮する
3.室内の臭い対策をする
4.いらない家具は処分して部屋の広さをアピールする
5.人数分のスリッパを用意する
6.魅力をまとめた資料を作成する
7.部屋が明るく見えるよう工夫する
8.周辺情報を伝える
一般的に成約までの内覧回数は5件~10件といわれています。10回以上の内覧があっても成約に至らない場合は、こうしたコツが押さえられているかを確認してみましょう。
一戸建ての売買契約で売主が負担する費用は?
晴れて売買契約が締結されると、売主が負担しなければならない費用がいくつか発生します。
売買契約時にかかるお金
一戸建ての売却時には、売主に以下の費用負担が生じます。
●仲介手数料
●印紙税
●抵当権抹消登記費用(住宅ローンが残っていた場合)
不動産会社への仲介手数料は、「売買価格×3.3%+6万6,000円」の計算式で求めることが一般的です。この式で計算すると、4,000万円で売却された場合は、138万6,000円の仲介手数料を不動産会社に支払うこととなります。買主と売買契約を結んだとき、物件の引渡しの2回に分けて支払うことが多いでしょう。
また、印紙税は売買契約書に貼る印紙のこと。売却時にかかる税金の1つといえます。貼るべき印紙の金額は売買価格によって以下のように決められているため、売値に応じた印紙を用意しましょう。なお、2024年3月31日までは、軽減税率が適用されています。
契約金額 |
本則税率 |
軽減税率 |
100万円を超え 500万円以下のもの |
2,000円 |
1,000円 |
500万円を超え 1,000万円以下のもの |
1万円 |
5,000円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの |
2万円 |
1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下のもの |
6万円 |
3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの |
10万円 |
6万円 |
この他、住宅ローンが残っていた場合には、抵当権抹消登記を行う費用が必要です。登録免許税と司法書士への報酬で2万円~3万円程度かかることが一般的でしょう。
確定申告でかかるお金
一戸建ての売却を行うと、資産を譲渡することで生じる「譲渡所得」を得ることになります。売却価格が購入価格を上回っていた場合には、譲渡所得税が発生するため確定申告が必要です。
これらの手続きは自分で行うことも可能ですが、税理士に依頼することもできます。その際は一般的に10万円~20万円程度の費用が発生するでしょう。
その他にかかるお金
一戸建ての売却では、次のような費用がかかるケースもあります。
●建物の解体費用:100万円~300万円程度
●廃棄物の処分費用:10万円~50万円程度
●敷地の測量費用:50万円~80万円程度
●ハウスクリーニング費用:5万円~15万円程度
金額はあくまでも目安ですが、「更地にして土地だけを販売する」「室内をきれいにして引渡す」といったときには、こうした費用がかかることがあるでしょう。
物件の引渡しで注意したいポイント
売買契約後は、買主へと引渡しを行います。
引渡しで必要となる書類
引渡しで必要となる書類は以下のとおりです。
書類名 |
入手方法 |
土地・建物登記済証(権利証) または登記識別情報 |
不動産持ち主が所有 |
身分証明書 |
不動産持ち主が所有 |
地積測量図・境界確認書 |
不動産持ち主が所有(紛失時は法務局に相談) |
印鑑証明書(実印) |
居住地の役所で入手 |
固定資産評価証明書 |
居住地の役所もしくは仲介会社に依頼して手配 |
預金通帳 |
不動産持ち主が所有 |
この他買主から要求された場合には、住民票の写しもしくは戸籍附表が必要になることがあるでしょう。
引渡しの流れ
不動産売買における物件引渡しは、次のような流れで進めることが多いでしょう。
1.売却金を受けとる
2.売却する一戸建ての登記手続きを行う
3.税金などを精算する
4.必要な書類と鍵を渡して完了
おおむね、売買契約を結んだ1.5~3ヶ月ほどで引渡しとなることが一般的です。
確定申告で注意したいポイント
売却益が出た場合には、一戸建てが売れた翌年に確定申告を行う必要があります。一方、売却によって損失が発生した場合には、確定申告は原則必要ありません。
ただし、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用して譲渡所得にマイナスが生じている場合は、確定申告が必要です。この特例は、自動で適用されるわけではない点に注意しましょう。
広島の一戸建て売却はマエダハウジング不動産におまかせ!
一戸建ての売却は、さまざまな手続きを1つずつクリアしながら着実に前へと進めていくことが大切です。書類の取得や作成など、売主の方の負担も少なくないため、当社ではできる限りのサポートを行っています。「何からスタートすれば良いのか分からない」という声にも寄り添ってまいりますので、広島で一戸建て売却をお考えの方は是非お気軽にご相談くださいませ。