残債がある場合の不動産売却と税金について

住宅ローンが残ったまま不動産を売却することはできるの?

 

 「転勤が決まった」「離婚をすることになった」など、ある日突然家を手放さなければならないこともあります。その時に、住宅ローンが残っていたらどうしたらいいのでしょうか。 

 結論をいえば、住宅ローンが残ったままでも、家を売ることは可能です。一見複雑に思えるかもしれませんが、適切な方法で進めることが大切です。手順は以下となります。 

 

STEP1. 住宅ローンの残高を確認する  

まずは、住宅ローンの残高を確認してみましょう。確認の仕方はいくつかあります。 

①インターネットバンキング:多くの金融機関では、オンラインでローンの残高を確認することができます。 

②口座通帳:ローンの取引内容を記載した通帳を確認する。 

③金融機関への問い合わせ:直接、電話や窓口でローンの残高を尋ねる。 

④ローンの契約書や書類:契約時に受け取った書類や毎年受け取る年間取引報告書を確認する。 

実現性の高い返済計画を立てるためにも、より正確な残高を把握しましょう。 

 

STEP2. 家の売却価格を調べる 

次に、売却資金を住宅ローンの返済に充てるために、不動産の売却価格を調べてみましょう。方法は、不動産仲介業者に対して売却査定の依頼を行います。様々な調査を経て、査定額を示した書類が提出されます。注意すべき点は、これはあくまで参考価格であり、最終的な取引価格とは異なる場合があるという事です。また、不動産会社よって算出方法が異なり、査定額に差が出ることもあるので提示された査定額がしっかりと根拠に基づいた価格であるか、販売計画がしっかりしたものかどうか、その担当者が信頼でき一緒に販売活動をしていきたいかどうか、を判断していくことが大切です。 

【マエダハウジング不動産の無料簡易査定はこちら】

https://www.hiroshima-estate.com/assess/

 

STEP3. 住宅ローンを家の売却価格で完済できるか計算する 

最後に、住宅ローンを家の売却価格で完済できるか計算します。 計算式は次のとおりです。 

住宅ローン残高-家の売却価格(成約金額) 

※別途諸費用がかかります。 

 上記、3つのステップにより売却価格で住宅ローンを完済できるかどうかが、見えてきます。売却価格のほうが住宅ローンよりも高ければローンを完済できるため、売却手続きに入ることができます。 

 しかし、売却価格が住宅ローンの残高を下回った場合、どうしたらいいのでしょうか。家の売却価格で住宅ローンの返済ができない場合、足りない分を補う必要があります。 返済の仕方には、次の方法があります。 

自己資金で返済する 

②住み替えローンを利用する  

 さらに、住宅を売却して損失が発生した場合、日本の税制にはその損失を活用することができる制度があります。 

【不動産の譲渡損の活用】 

 不動産を売却して損失が発生した場合には、通常はその損失分を他の所得(給与所得など)から控除したり、繰越して控除したりすることはできません。しかし、特定の居住用財産の譲渡損失についてのみ、その年の他の所得から控除することができます。また控除しきれなかった残額のある時は、その残額をその翌年から繰越して3年間、各年の給与などの総所得金額から控除することができます。詳しい計算方法や、適用条件については税務署や税理士に相談することが推奨されます。 

  前述とは反対に、売却価格が住宅ローンの残高を上回る場合は、利益が出ることになります。 売却利益が発生した場合、所得として課税されますが、一定の条件を満たすと税金の特例や控除を受けることができます。例えば、新居の購入やリフォームに利用する場合などが該当します。 

 最後に、住宅ローンが残ったままでも売却するポイントをお伝えします。 

  • 査定価格の確認先ずは不動産会社から査定を受けることで、適切な売却価格を設定する。 
  • ローン契約の確認:早期に返済する場合の条件を確認する。 
  • 税金の確認:売却による税金の影響を事前に確認し、必要な特例や控除を活用する。 
  • 売却後の計画:新居の購入や賃貸移行、再ローンの計画など、売却後の生活設計をしっかり考える。 

 住宅ローンが残ったままの不動産売却は、計画的に進めることが大切です。売却価格、ローンの残高、税金の影響など、複数の要素を総合的に考慮しながら、最も適切な方法を選択する必要があります。専門家との相談を通じて、より良い結果を追求しましょう。 

 

不動産の売却について相談してみる