マンションは購入?賃貸?どちらがいい?

〜それぞれのメリット・デメリットをご紹介〜 

 

 「マンションは購入か賃貸かどちらの方がいい?」この問いは、多くの人々が一生のうちに少なくとも一度は直面する複雑な選択です。都市部の居住空間が限られている現代では、マンション生活が一つのスタンダードとなっています。しかし、マンションを購入するか、それとも賃貸するかという選択は、単に居住する場所を決めるという以上の意味を持っています。それは、個人のライフスタイル、財政状況、将来の計画など、様々な要素が絡み合う大きな決断なのです。 

 このコラムでは、マンションを購入するメリットとデメリット、賃貸するメリットとデメリットを検討し、どちらの選択が自分の状況に最適かを考えるためのヒントを提供します。資産価値の観点からの議論、生活の柔軟性、財政計画、そして心の平和まで、様々な角度からこの複雑な問題を解きほぐしていきます。マンションを購入するか賃貸するかの決断は、単に今日明日の住居の選択ではなく、あなたの未来を形作る重要なステップです。それでは、購入と賃貸、それぞれの道が私たちの生活にどのような影響を与えるのかを探っていきましょう。 

 

マンションを購入するメリット 

 マンションを購入する場合、賃貸契約と比べていくつかのメリットがあります。以下に主なものを挙げます。 

1.資産価値の向上

 マンションを所有することは、不動産という資産を持つことを意味します。適切な場所にある物件は、長期間にわたってその価値が増加する可能性があります。 

2.財産権

 自己の物件を持つことで、改装やリノベーションなど、自由に物件をカスタマイズすることが可能になります。賃貸では制限が多いですが、所有物件では自分の好みに合わせて変更することができます。 

3.安定性

 自己所有のマンションは、賃貸物件と比較して長期的な居住の安定性を提供します。家賃の値上がりや退去を求められる心配が少ないです。 

4.投資としての価値

 自己の物件を将来的に貸し出すことで、賃貸収入を得ることが可能です。また、不動産投資としての価値があり、将来的に売却することで利益を得ることもできます。 

5.税金のメリット

 物件購入に関連する諸費用やローンの利息、物件の減価償却など、税金控除の対象となるケースがあります。これにより、節税効果が期待できます。 

6.強制貯蓄

 ローンの返済は、強制的な貯蓄とも言えます。賃貸物件に住むときに毎月支払う家賃は、住む場所を提供してもらうための費用です。家賃を支払っても、支払った家賃によって資産が増えることはありません。支払いは純粋に住居を借りるためのもので、支払った分の資産が手元に残るわけではありません。 

 一方で、マンション購入のためのローンを返済するとき、毎月の返済額の一部がローンの元金(借入れた本体額)を減らすことになります。つまり、ローンを返済することで徐々にマンションの所有権を手に入れていくことができ、これが「強制貯蓄」と呼ばれる所以です。 

 ローンの返済は毎月一定額を支出しますが、その金額が将来的に自己の資産を形成していく過程になります。家賃支払いと異なり、ローン返済は最終的に自分のものとなる不動産を得るための投資と考えることができます。 

7.エクイティの蓄積

 ローンを返済することで、徐々に物件のエクイティ(自己資本)を増やしていきます。これは、将来的な資金調達や資産としての価値が増すことを意味します。 

8.継承資産

 所有不動産は、将来的に家族に継承することが可能です。これにより、資産を次世代に引き継ぐことができます。 

 

マンションを購入するデメリット 

マンションを購入する際に考慮すべきデメリットには、以下のような点があります。 

1.管理費や修繕積立金

 マンションでは、共用部分の維持管理のために毎月管理費や修繕積立金が必要です。これらの費用は、物件や管理組合の方針によって異なりますが、長期間にわたって支払いが続くため、経済的な負担となることがあります。 

2.プライバシーの問題

 マンションは多くの住戸が集まる集合住宅です。そのため、一戸建てに比べてプライバシーが確保しにくい側面があります。隣人の騒音や生活音が気になることがあるかもしれません。 

3.財産価値の変動

 マンションの価値は、立地や建物の老朽化、周辺環境の変化によって下がる可能性があります。特に新築マンションの場合、購入時にはプレミアム価格が含まれていることが多いため、時間が経つにつれて価値が下落することが予想されます。 

4.リフォームや改修の制限

 マンションの場合、外壁や構造に関わる大規模なリフォームは管理組合の承認が必要になることがあります。また、建物全体の統一性を保つために、窓の形状やバルコニーの使用に制限がある場合もあります。 

5.ペットの飼育制限

 マンションによっては、ペットの飼育が制限されている場合があります。ペット可のマンションでも、種類や大きさ、飼育可能な匹数に制限があることが多いです。 

6.災害時のリスク

 地震や火災などの災害時には、マンションの高層階では避難が困難になる場合があります。また、共同住宅であるため、建物全体の安全性が個々の住戸の安全に直結します。

7.売却の難易度

 市場環境や物件の状態によっては、マンションの売却が予想よりも難しくなる場合があります。特に、建物の老朽化が進んでいる場合や、人気のない立地では売却価格が下がる可能性が高いです。 

 

マンションを賃貸で契約するメリット 

マンションを賃貸で契約する際のメリットは多岐にわたります。以下に主なものを挙げてみましょう。 

1.初期費用が低い 

 マンションを購入する場合に比べて、賃貸の場合は初期費用が大幅に抑えられます。敷金や礼金、仲介手数料などは発生しますが、購入時の頭金や登記費用、税金などの大きな費用がかかりません。 

2.固定資産税や管理費の負担がない 

 賃貸の場合、固定資産税やマンションの管理費、修繕積立金などの直接的な支払い義務はありません。これらは大抵、家賃に含まれており、オーナーが負担します。 

3.住み替えが容易 

 仕事や家族構成の変化、生活スタイルの変更などにより住み替えが必要になった場合、賃貸であれば比較的容易に引っ越しができます。所有している物件の売却や新たな物件の購入といった手間が不要です。 

4.メンテナンスの責任が低い 

 賃貸物件の場合、建物の大規模な修繕や設備の故障については、基本的には大家や管理会社が責任を持って対応してくれます。自己所有の物件の場合は、これらの問題に自ら対処する必要があります。 

5.立地の自由度が高い 

 購入を前提とした住宅選びでは、予算の制約などから理想の立地を選びにくいことがありますが、賃貸なら予算内でより多くの選択肢から好みの立地を選ぶことが可能です。 

生活に必要な設備が整っている場合が多い: 特に新築や築浅のマンションの賃貸物件では、最新の設備や家電が備え付けられていることがあります。別途購入する必要がなく、初期費用を抑えられるうえに快適に生活を始められます。 

 

■マンションを賃貸で契約するデメリット  

 マンションを賃貸で契約する際には、いくつかのデメリットが考えられます。ここでのデメリットは、賃貸の特性によって生じる可能性がある点を指します。それらを以下に詳しく説明します。 

1.自由度の制限 

 賃貸マンションの場合、壁紙の色を変更する、フローリングを変えるなどの大幅な改装は原則として許可されていません。小さな修正であっても、大家や管理会社の承認が必要な場合が多いです。また、 ペット可の物件であっても、大きさや種類に制限があることが多く、ペットを飼うことが完全に自由ではありません。 

2.財務的な側面 

 賃貸で支払う家賃は、将来的に資産として残ることはありません。つまり、長期にわたって賃貸で生活すると、その分の家賃が「経済的な価値」としては失われることになります。更に、多くの賃貸契約には更新料が設定されており、一定期間ごとに契約を更新する際に追加の費用が発生します。 

3.引越しの可能性 

 建物の老朽化や大家さんの事情で、予期せぬタイミングで退去しなければならなくなる可能性があります。 

4.セキュリティとプライバシーの問題 

 賃貸マンションでは、他の住人との距離が近く、音漏れなどの問題が発生しやすいです。また、セキュリティシステムが十分でない場合、防犯面で不安を感じることもあります。 

5.管理状況に左右される生活環境 

 マンションの管理会社や大家の質によって、共有スペースの清掃状況や修理対応の速さが大きく異なります。管理が行き届いていないと、快適な生活環境を保ちにくくなります。 

 

マンションを購入か賃貸かで迷った場合はどうする? 

 マンションを購入するか賃貸するかで迷っている時は、いくつかの重要なポイントを考慮しましょう。まず、長期的な目標と現在のライフスタイルを見直すことが重要です。購入は、長期的に同じ場所に住む予定がある方に適しています。これは資産価値の向上と資本の蓄積のチャンスを提供します。一方で、ライフスタイルが変化する可能性が高い、または転勤などで移動する可能性がある場合、賃貸の方が柔軟性があり、適しています。 

 次に、財務状況と初期費用を考える必要があります。マンションを購入すると、頭金や登記費用、仲介手数料などの初期費用がかかりますが、毎月の支払いは将来的に資産になる点を考慮する必要があります。対照的に、賃貸は初期費用が比較的低く設定されていますが、支払った家賃は資産形成には貢献しません。 

 維持費や修繕費の面からも、購入と賃貸を比較することは有益です。購入した場合、マンションの維持費や大規模修繕は所有者の負担になりますが、これらは長期的に見るとかなりの費用になることがあります。賃貸の場合、大規模修繕の費用は大家や管理会社が負担するため、この点での心配は少なくなります。 

 また、不動産市場の動向と将来性を調査することも重要です。購入する地域の不動産価値が将来的に上昇する見込みがある場合、購入は賢い選択肢になる可能性があります。さらに、プライバシーやライフスタイルの面から見ると、購入は自宅を自分の好みにカスタマイズできる自由がある一方、賃貸はメンテナンスの心配が少なく手軽な生活を楽しめるというメリットがあります。 

 

■おわりに 

 迷った時はマエダハウジング不動産へお気軽にご相談ください。弊社は、お客様個人の状況に合った資金シミュレーションを行い、具体的なアドバイスを行っております。購入と賃貸にはそれぞれ独自のメリットとデメリットがありますので、ご自身やご家族の状況、将来の計画、財務状況を慎重に考慮し、最適な選択をすることが大切です。