マンションを買うなら新築?中古?

新築と中古のメリット・デメリットや費用を徹底比較! 

 

 「マイホームを持つ」という夢を叶える過程で、最も大きな分岐点の一つが「新築マンションを買うか、それとも中古マンションを選ぶか」です。この選択は、単に物件の新旧に関するものだけではありません。ライフスタイル、将来設計、そして何よりも財政的な側面が大きく関わってきます。新築マンションには、誰もが一度は憧れる「新しいもの」の魅力がありますが、一方で中古マンションには、より手頃な価格で広いスペースを得られる可能性があります。この二つの選択肢を比較する際には、それぞれのメリットとデメリットを徹底的に検討し、自分や家族のニーズに最も合った選択をすることが重要です。このコラムでは、新築マンションと中古マンションの購入における費用面を中心に、それぞれの利点と潜在的なデメリットを比較検討し、あなたの大切な決断に役立つ情報を提供します。 

 

新築マンションを購入するメリット 

 新築マンションを購入する際には、いくつかのメリットがあります。以下でそれらを詳細に説明します。 

1.最新の設備と仕様

 新築マンションは、最新の建築基準法に基づいて建てられており、耐震性や断熱性に優れていることが多いです。また、最新の設備や仕様が導入されており、省エネルギー性や快適な居住空間を提供してくれます。例えば、床暖房や高性能な給湯器、キッチンの最新機能などが挙げられます。 

2.住環境の選択

 新築マンションの場合、建設予定地やプランが公開されてから購入することが多く、立地や階数、方角などを自分の好みに合わせて選ぶことができます。眺望や日当たりを重視する人にとっては、大きなメリットです。 

3.メンテナンスコストの削減

 新築の物件は、中古物件に比べて当初のメンテナンスコストが低く抑えられます。建物や設備が新しいため、すぐに修繕が必要になることは少なく、初期の数年間は比較的安心して住むことができます。 

4.資産価値の維持

 新築物件は、中古物件と比較して資産価値を高く保ちやすい傾向があります。立地や建物の状態が良好であれば、将来的に売却する際も価値の下落が少ないことが期待できます。 

5.カスタマイズ可能性

 購入時点での建設段階によっては、内装や設備のカスタマイズが可能な場合があります。自分の好みやライフスタイルに合わせて、キッチンやバスルームの仕様を選べることも、新築マンションならではの魅力です。 

6.共有施設の充実

 新しいマンションでは、居住者の快適性を高めるための共有施設が充実していることが多いです。フィットネスルームやパーティールーム、ゲストハウスなど、生活の質を向上させる設備が整っています。 

7.安心のアフターサービス

 新築マンションの多くは、販売会社や建設会社から一定期間のアフターサービスが提供されます。不具合が発生した場合の修理対応や、建物のメンテナンスサポートなどが含まれていることが一般的で、これにより新しい住まいでの生活がより安心できます。 

 

新築マンションを購入するデメリット 

 新築マンションを購入する際のデメリットは、魅力的なメリットが多い一方で、慎重に考慮すべきいくつかの点があります。ここでは、その主なデメリットについて説明します。 

1.価格が高い 

  新築マンションは、同じ地域の中古マンションと比べて価格が高い傾向にあります。建設コストや開発者の利益が価格に反映されるため、購入初期費用が大きくなりがちです。 

2.立地の制約 

 希望する地域に新築マンションのプロジェクトがない場合、立地に関して妥協する必要が出てくることがあります。都心部では特に新築プロジェクトの立地が限られていることが多いです。 

3.間取りや仕様の自由度が低い 

 新築マンションの場合、建設プロジェクトの計画段階で間取りや仕様が決定されてしまうため、購入者の要望に完全に応えるのが難しい場合があります。 

4.実際の完成後の品質が予想と異なる可能性 

 モデルルームやパンフレットでは理想的な状態が提示されますが、実際の完成物が予想と異なることがあります。特に、音の遮断性や設備の品質など、住んでみないとわからない問題が後から明らかになることがあります。 

5.引き渡しまでの時間 

 新築マンションを購入すると、建設完了まで数ヶ月から数年待たなければならないことがあります。その間、購入者は現在の住まいをどうするか、引っ越しのタイミングなどを慎重に計画する必要があります。 

6.新築時の価値減少 

 新築マンションは購入時が価値のピークであり、時間が経つにつれて徐々に価値が下がる傾向にあります。特に初めの数年間での価値減少が大きい傾向にあります。 

7.建設計画の変更や遅延 

 建設途中での計画の変更や遅延が発生することがあり、予定通りに引き渡しが行われないリスクがあります。 

 

■中古マンションを購入するメリット 

 中古マンションを購入するメリットは多岐にわたります。以下、その主な点を詳しく説明します。 

1.コストパフォーマンス

 新築マンションに比べて、中古マンションは価格が低めに設定されていることが多いです。予算に余裕が生まれ、より広い面積や好立地の物件を選ぶことが可能になります。また、建物の価値は時間が経つにつれて減少しますが、中古で購入時点で既に減価償却が進んでいるため、新築時ほど価値の下落を心配する必要がありません。 

2.立地の良さ

 新築マンションは都心部では土地の確保が難しいため、郊外に建設されることが多いですが、中古マンションでは、都心部や交通の便が良いエリアにある物件を見つけることができます。 

3.環境の確認

 中古マンションでは、実際に住んでいる人の生活の様子や、周辺環境を購入前に確認することができます。新築の場合は完成前に購入することが多く、想像と異なることがあります。 

4.リノベーションの自由度

 中古マンションを購入した場合、節約した予算をリノベーションに充てることができ、自分好みの空間にカスタマイズすることが可能です。 

5.即入居可能

 新築マンションの場合、購入後に入居まで時間がかかることがありますが、中古マンションは購入後すぐに入居できる場合が多いです。 

6.住宅ローン控除の利用

 中古マンション購入でも、一定の条件を満たすと住宅ローン控除の利用が可能です。これにより、年末調整や確定申告時に税金が還付されるメリットがあります。 

7.環境への配慮

 新たに建築資材を使用せず、既存の建物を活用することは環境にやさしい選択と言えます。 

 

中古マンションを購入するデメリット 

 中古マンションを購入する際のデメリットについては、いくつかの点が挙げられます。以下、主なデメリットを詳しく説明します。 

1.耐震性の問題

 中古マンションの場合、新築時の建築基準法に基づいて建てられていますが、その基準は年々厳しくなっています。特に、大きな地震が起きた後には基準が見直されることが多いため、築年数が古い物件は、最新の耐震基準に達していない可能性があります。これにより、地震の際の安全性に不安が残ります。 

2.メンテナンスや修繕の問題

 中古マンションは、経年劣化によるメンテナンスや大規模修繕が必要になる場合があります。特に、外壁塗装や屋上の防水工事、エレベーターの更新など、大規模修繕は高額になることが多く、その費用は居住者であるオーナーが負担することになります。また、購入後に想定外の修繕が必要になると、予算の計画が狂う可能性があります。 

3.設備の古さ

 中古マンションの場合、築年数に応じてキッチンやバスルーム、トイレなどの水回り設備が古くなっていることがあります。最新の設備に比べて機能性が劣る場合が多く、リフォームや交換には別途費用がかかります。 

4.間取りやデザインの古さ

 建築の流行は時代によって変わります。そのため、中古マンションでは、現代の住まいのニーズに合わない間取りやデザインであることがあります。リビングとダイニングの一体感を重視する現代のニーズに対して、過去の物件は区切られた間取りであることが多いです。これを変更するには、壁を取り払うなどの大規模なリフォームが必要になる場合があります。 

5.ロケーションや環境の変化

 マンションが建てられた当時と比べて、周辺環境が大きく変わっている可能性もあります。例えば、新しい道路ができたことによる騒音の増加や、周辺の景観が変わるなどです。また、地域の人口動態の変化により、以前は便利だった場所が、公共交通機関の利便性が低下するなど、生活しやすさが変わっている場合もあります。 

6.ローンの金利が高くなる可能性

 中古物件の場合、新築物件と比べて金融機関からの借入れ条件が不利になることがあります。その結果、金利が高く設定されることがあるため、長期にわたるローンの返済総額が増える可能性があります。 

 

■新築・中古マンションの費用相場 

 広島での新築マンションの費用相場について、面積や築年数によって価格が大きく異なります。2019年12月のデータに基づくと、新築マンションの相場は以下の通りです。 

25㎡の新築マンションは約1,600万円 

50㎡の新築マンションは約3,200万円 

70㎡の新築マンションは約4,500万円 

80㎡の新築マンションは約5,100万円  

 さらに、広島市内では世帯数の増加や新築マンションの供給減少がマンション価格の上昇につながっています。世帯数の増加は、一人または少人数の世帯の増加や、市外からの移住者によるものです。これにより、住宅需要が増え、マンション価格が上昇しています。新築マンションの供給は2018年頃から減少傾向にあり、新型コロナウイルスの影響でさらに減少しています。 

 広島市の各区におけるマンション価格も大きく異なり、中区が最も高価で、安佐北区が最も低価格です。例えば、築10年で70㎡のマンションの場合、中区では売買相場が平均約4,000万円/㎡、安佐北区では約1,900万円/㎡となっています。 

 今後の広島市のマンション市場は、金利の動向や人口変動などにより影響を受ける可能性があります。特に、低金利環境の終焉と予想される2024年以降は、住宅ローンの金利が上昇することで、新築マンションの購入が難しくなる可能性があります。このため、マンション購入を検討している場合は、金利の動向を注視するとともに、自身の購入能力を慎重に評価することが重要です。 

 一方で、中古マンション市場はかなり活発で、総数で2,214棟のマンションが存在し、様々なエリアや路線沿いで物件を探すことができます。具体的な費用相場については、広島市内での相場価格は築年数や面積によって大きく異なります。広島市内の区ごとの売買相場を見ると、中区が最も高く、築10年・70㎡のマンションの平均価格が4,000万円、㎡単価で57万円となっています。一方で、安佐北区が最も安価で、同条件のマンションで1,900万円、㎡単価で27万円です。このデータからも、地域によってマンション価格に大きな差があることがわかります。 

 広島市内では、中区や南区などの一部のエリアが特に人気があり、価格が高めに設定されています。一方で、安佐北区や佐伯区などは比較的リーズナブルな価格設定となっているため、購入者の予算やライフスタイルに合わせて様々な選択肢があります。 

 

■おわりに 

 マンションを購入する際、新築と中古のどちらを選ぶかは大きな決断です。両方にメリットとデメリットがあるため、自宅で過ごす時間、家族構成、仕事や趣味に必要なスペースなど、自分のライフスタイルに合った選択をしましょう。住み替えの可能性、家族の増減、将来の価値下がりなど、長期的な視点で考えることが重要です。 

 さらに購入価格だけでなく、メンテナンス費用、リフォーム費用、管理費用など、トータルでかかる費用を考慮して資金計画を立てましょう。そして、複数の物件を比較検討し、実際に物件を見て回ることで、納得のいく選択ができます。 

 マエダハウジング不動産では、新築か中古かで迷っている方に対し資金計画のご相談を承っております。また、物件購入前でもリフォームのご提案やお見積りなども行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。