築30年の中古戸建ての断熱性能をあげるといくらかかる?
ー費用を抑える方法まで解説ー
冬の室内温度の急激な変化により、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」は、暖かいリビングから寒い廊下やトイレ・浴室へ移動したときや、入浴時によく起こります。ヒートショックの発症には、家の性能が大きく関わります。さらに夏の室内の気温上昇で起こる「熱中症」も、家の断熱性向上により防ぐことが可能です。今回は中古戸建てを購入する際に、断熱性能をあげるといくらかかるのか?詳しく解説していきます。
■築30年の中古戸建ての断熱性能を上げるためにリノベーションが必要な部分
1.断熱材
築年数が30年経過した家は、断熱材が入っていない、もしくは入っていても壁の中の湿気が影響して断熱材が朽ちているケースがあり、断熱性能が低下していることが多くあります。
2.窓・サッシ
部屋の断熱に最も影響を与えるのが窓などの開口部です。20年、30年前の窓は1枚ガラスで、熱が伝わりやすいアルミサッシが主流のため、部屋が外気の影響を受けやすくなっています。
3.欄間
日本家屋は高温多湿の気候に合わせて、夏を快適に過ごす工夫として欄間や障子、ふすまを間仕切りとしています。そのため、隙間が多く冬場は暖かい空気が逃げやすくなっています。
■築30年の中古戸建ての断熱性能をあげるといくらかかる?
・断熱材
①壁の断熱材追加または交換
方法: グラスウールや発泡ウレタンの充填
費用: グラスウール2000円/㎡ 発泡ウレタン3000円㎡
②屋根や天井の断熱
方法: 吹き込み断熱や断熱材の貼り付け
吹付断熱材3500円/㎡ グラスウール2500円/㎡
③床下の断熱
方法: 断熱材を床下に取り付ける
※状況によっては床を張り替えないといけない場合もあり
費用: 3000円/㎡
・窓の断熱強化
方法: 二重窓の設置やガラスの交換(Low-Eガラスなど)
費用: 1窓あたり5万~15万円
全体で20万~80万円程度(窓数による)
■築30年の中古戸建ての断熱性能を上げるリノベーション費用を抑える方法
築30年の中古戸建ての断熱性能を上げる際、リノベーション費用を抑えるための方法をいくつか紹介します。以下のポイントを考慮すれば、コストパフォーマンスを高めながら快適な住環境を実現できます。
1.重点エリアを限定する
すべての部位を断熱するのではなく、効果が大きい部分に絞って施工することで費用を抑えられます。
≪優先順位≫
窓・ドア(熱損失の40%が窓から)
天井・屋根(熱損失の20~30%)
床下(熱損失の10~15%)
壁(最後に検討)
2.既存の構造を活用
既存の構造を活かすことで工事費を削減できます。
・壁内に断熱材を追加する「充填断熱工法」を採用する。
・既存窓に内窓を設置して二重窓にする(窓枠の交換を不要に)。
3.DIYで対応できる部分を増やす
簡単な断熱対策は自分で行うとコスト削減に繋がります。
・窓に断熱シートを貼る(1枚1,000~2,000円)。
・カーテンを厚手の断熱カーテンに変更。
4.補助金・助成金を活用
自治体や国の補助金を利用することで実質的な負担を軽減できます。2023~2025年の3年間で国は「断熱窓導入の集中的支援」を行う方針を示しています。それに伴い、環境省が「先進的窓リノベ2024事業」を実施しており、窓の断熱リフォームに対して5万円~最大200万円の補助金が支給されます。水回りの劣化にともなうリフォームを検討する場合、補助金が使える「窓の断熱リフォーム」も合わせての施工がおすすめです。
5.コストの低い材料を選ぶ
断熱材や窓の種類を工夫することで費用を抑えられます。
・グラスウールや発泡スチロール系断熱材は比較的安価。
・窓ガラスを単層Low-Eガラスにすることで費用対効果を高める。
6.断熱とリフォームを同時に行う
他のリフォーム(内装工事や水回り工事 )と同時に行うと足場費用を削減できます。
断熱リノベーションは効果的な場所を重点的に施工し、DIYや補助金を活用すれば費用を大幅に抑えられます。具体的な計画を立てる際には、専門業者に相談しつつ、自分でできる部分も取り入れると良いでしょう。
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