最新!住宅ローンの傾向と対策
マイホームの取得の際には、大半の方が住宅ローンを利用されています。最近の住宅ローンの利用状況や傾向がどのようになっているのか、また今後どのように利用していくべきかについて簡単にまとめて見ましたので参考にしていただければと思います。
低金利の長期化、金利以上の住宅ローン減税適用、マンション価格の上昇等を要因として、個人の住宅ローン残高が増加傾向にあります。このような状況の中で、変動金利型住宅ローンのシェアが拡大しています、住宅金融支援機構の調べでは約75%(2019年度)が変動金利型住宅ローンを利用しており、金融機関内で獲得競争が激化しています。国内住宅ローン残高シェアをみると信託銀行、地方銀行がシェアを伸ばし、都市銀行や信用金庫はシェアを落としています。
個人は、変動金利型住宅ローンを借り入れるだけでなく、借入期間も長期化することで毎月の返済額を抑制しているとみられます。一部の金融機関では返済期間が最長40年間まで可能な商品もあります。住宅ローンの金利が低い水準にあることで、金利上乗せをしてでも保障内容の充実した団体信用生命保険を取り組む個人も増えています。
変動金利型住宅ローンを取り組む人が増えている中で、将来の金利上昇を予測することは難しく、金利上昇の局面化では、短期よりも長期の金利から上昇していくことになるので、機動的に固定金利型に契約変更や借り換えを行うことは困難であり、固定金利型に借り換えたとしても十分なメリットを享受できない可能性が高いと思われます。よって個人が金利上昇に備える方法は、固定金利型と組み合わせる、預貯金の積み立て等を活用(増加利息の支払いに充当、繰り上げ返済)して、リスクに対しての余裕を確保するなどがあります。
1999年のゼロ金利政策導入後、日本国債10年利回りの推移を見ると、0~2%の範囲にあるため、35年返済等の長い期間で変動金利型住宅ローンを利用すると、1~2%程度の金利の上昇がいずれ生じる可能性は否定できないと言えます。首都圏の新築・中古住宅の平均販売価格、戸建は22年・マンションは35年の借入期間として、変動金利は0.4%、固定金利は1.2%で設定したある検証において、今後5年間を預貯金で余裕を確保しながら変動金利型住宅ローンを借り入れると、1%程度の金利上昇が生じても、預貯金を原資に繰り上げ返済を行えば、固定金利型で借り入れるよりも月々の返済額は小さくなります。また2%程度の金利上昇が生じる場合は、今後15年以上低金利政策が継続しないと固定金利型で借り入れるよりも月々の返済額が大きくなる可能性があります。2%程度の金利上昇に備えるには、住宅ローン減税による還付金や預貯金等で金利上昇へのリスク回避として確保しておく、また、当初の月々の返済額が大きくなるデメリットを受け入れて期間固定型(10年固定等)住宅ローンを活用するなどの方法も合わせて検討する必要があると思われます。住宅ローンの選び方は、金利の予測が困難であるため大変難しいことです。色々な専門家の意見を聞いてシュミレーションしながら、自分の価値観や考え方に基づいて判断して行きましょう。最後は自分で決定しなくてはならないので、そのためには事前に住宅ローンの勉強をしておくことが大事ですね。