中古住宅の購入は住宅ローン審査が厳しい、通らない?ローンを組めない事態を避けるには
中古住宅(中古物件)を購入する際、支払い方法のひとつとして住宅ローンを検討している方も多いでしょう。しかし、審査が厳しく、もしかするとローンが組めないのでは?と心配に思うこともあるかもしれません。そこで今回は、中古住宅の住宅ローン審査が実際に厳しいのかどうかや審査の流れ、必要な書類など、知っておきたい情報を詳しくまとめました。また、具体的な審査項目や審査が通らない事態を避けるための対策などもご紹介します。
中古住宅は新築に比べて住宅ローン審査が厳しい?
住宅ローンは、基本的に購入する住宅を担保に入れてお金を貸してもらうシステムです。新築に比べて中古住宅のほうが担保価値が低くなるため、場合によっては審査に通りにくい、または審査に時間がかかるケースが多い傾向です。
例えば、2,000万円のローンを希望している際に、中古住宅の担保価値が1,000万円であった場合、満額の借入ができない可能性があります。
また、昭和56年以前に建てられた築40年以上の中古住宅は、現在の建築基準を満たしていないケースがあるため、要注意。住宅ローン審査の際には、建築基準を満たしているかどうかも審査基準となるため、この条件を満たしていないと、審査が組めない可能性がアップします。
上記のようなことが、中古住宅ローン審査が厳しいと言われる代表的な理由です。住宅ローン審査が通らなければ、当然、住宅ローンが組めないため、希望の物件を手に入れられません。
中古住宅の住宅ローン審査とは
続いては、中古住宅の住宅ローン審査とはどういった流れで行うのか、審査とは具体的にどのような点がチェックポイントとなるのかなどを詳しく解説します。
ローン審査の流れは?
まず購入したい中古住宅がだいたい決まったら、どの金融機関で住宅ローンを組むかを検討します。借入先は、銀行や信用金庫、公的融資などが代表的です。そして、希望の借入先に、事前審査(仮審査)と本審査を申し込みます。購入する中古住宅が正式に決まり、仮審査と本審査が通過できたら、正式なローン契約を結ぶ流れが基本です。
事前審査とは
中古住宅の購入には、それなりの大きな金額が必要です。お金を貸す側としても、きちんと返済が可能か慎重に見極めるチェックが欠かせません。そのために行われるのが、住宅ローンの事前審査です。
事前審査では、購入を希望する物件の情報や融資希望額、土地などの金額と、職業や年収などの情報をチェックします。金融機関や条件によっても異なりますが、およそ1週間程度で審査の結果が分かるケースがほとんどです。金融機関によっては、仮審査と呼ばれることもあります。
本審査とは
本審査は、事前審査通過後に正式に住宅ローンを申し込んだ際に行われる、より詳細な項目をチェックする過程。契約したローンを毎月滞ることなく返済可能かどうか、購入予定の中古住宅の担保価値は十分かどうかなど、より厳しく審査します。
事前審査を通過した場合であっても、まれに本審査に通らない場合があるため、注意しましょう。この本審査を通過して初めて、正式に住宅ローンの契約を結ぶことができます。金融機関によって違いがありますが、本審査にかかる時間はおよそ1~2カ月程度です。
中古住宅のローン審査で必要な書類は?
中古住宅のローン審査では、以下の書類が必要です。事前審査と本審査で準備する書類が異なるため、しっかり把握しておきましょう。また、金融機関によっては、ご紹介するもの以外の書類の提出が求められる場合もあり、申し込みの際には確認が必要です。
〇事前審査で必要な書類
- 免許証やパスポートなどの本人確認できるもの
- 健康保険証
- 源泉徴収票(会社員)
- 確定申告書(個人事業主)
- 会社の決算書(会社経営者)
- 返済明細表(借入がある場合)
- 認印
〇本審査で必要な書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 住民税決定通知書or課税証明書(会社員)
- 納税証明書(個人事業主)
源泉徴収や印鑑証明書、住民票など、書類によっては発効までに時間がかかるものもあります。また、源泉徴収や確定申告などは、数年分の書類が必要となる場合がほとんどです。ある程度日にちに余裕をもって準備しましょう。とはいえ、「書類発行日が直近3カ月以内」などと制限を設けているケースも多いため、あまりにも早く準備しすぎるのは要注意です。
住宅ローンにはどのような審査項目がある?
住宅ローンには、具体的にどのような審査項目があるのかチェックしていきます。意外と知らない、住宅ローン審査が通らない驚きの理由が見つかるかもしれません。
完済時・借入時の年齢
住宅ローンの返済は、返済年数が決まっていることがほとんどです。この返済年数に合わせて、完済時と借入時の年齢制限が設けられています。金融機関によって違いがありますが、完済時の年齢は80歳前後に設定されていることがほとんど。また、下限年齢は20歳が一般的です。
健康状態
貸したお金がきちんと返済されるよう、申込者の健康状態も審査項目に含まれています。たとえ申し込み時に健康であっても、返済途中でケガや病気などに見舞われて返済が難しくなる可能性もゼロではありません。そんなもしものために備えて、ほとんどの金融機関で加入が定められている保険が団体信用生命保険です。基本的に、加入前に改めて健康診断をする必要はありませんが、嘘偽りのない健康状態の告知が必要です。
担保評価
住宅ローンでは、もしも返済が難しくなった場合に備えて、購入する住宅や土地の担保評価をチェックします。もしも返済ができなくなった場合に、担保としている土地や住宅を売却し、その売却金を返済に当てることが主な目的。中古住宅では担保評価が低くなりやすい傾向です。
年収
年収の確認は、返済可能額や融資可能額を判断する際に必要となる情報です。直近の年収が基準になり、およそ7~10倍程度の年収が、借入可能金額の目安と言われています。
返済負担率
返済負担率は、返済額と収入のバランスのことを指します。返済比率と言われることもあり、年収に対しての年間返済額の割合を確認し、返済不可能となるリスクがどの程度あるのかをチェックする項目です。およそ20~35%に設定している金融機関が多い傾向で、この比率を超えなければ頭金を用意しないフルローンが利用できます。
勤続年数
年収と合わせてチェックされる項目が、勤続年数です。安定して返済可能かどうか判断する材料とされ、勤務先情報や業務内容、雇用形態などもチェックされます。短期間で転職をしている場合などは、審査に通りにくいでしょう。
ローンや債務などの返済履歴
きちんと返済可能かどうか、申込者の信頼性を確認するためにチェックされる項目がローンや債務などの返済履歴です。過去にローン返済の延滞を繰り返していた場合などは、信頼性に欠けるため審査に通りにくくなります。令和3年度、国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、金融機関側が融資を行う際に考慮する項目として62.9%の金融機関がこの「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」を重視していると回答しています。
中古住宅で住宅ローン審査に通らない事態を防ぐには
中古住宅を購入する際、住宅ローン審査に通らない事態を防ぐためのコツをご紹介しましょう。事前に対策しておくことで、中古住宅のローン審査に通る可能性がアップします。
自己資金を貯めて頭金を増やす
自己資金を貯めて頭金を増やせば、借入金額が少なくなり、必然的に審査も通りやすくなるでしょう。しかし、貯金を住宅ローンの頭金につぎ込みすぎると、生活に支障をきたす、緊急時の資金が足りないといった事態を招きかねないため、家計の状況も考慮して頭金を用意することが大切です。
他の借入金を返済しておく
他の借入金があることで、返済負担率がアップすると審査が通りにくくなることが考えられます。そのため、キャッシングや自動車ローンが残っている場合は、住宅ローン申し込み前にできるだけ返済、もしくは完済しておきましょう。
借入やキャッシングローンを滞納しない
これまでに借入やキャッシングローンを滞納した経歴があると、信頼性がダウンし、審査に通りづらくなります。一定期間以上滞納すると信用情報機関にその履歴が残り金融機関も確認可能なため、滞納は避けたいことのひとつ。普段から滞納に注意しておくと、審査に通りやすく、希望金額の融資も受けやすくなります。
複数の金融機関に審査を申請する
頭金を増やす、他の借入金を返済するなど、事前に対策をしていても金融機関の条件にマッチしなければ審査は通りません。金融機関によって審査基準が異なるため、2~3個程度、複数の金融機関に審査を申し込み、審査通過率アップや希望の融資額獲得を狙いましょう。本審査を通過した金融機関の中から、最も条件の良い機関を選び、本契約へと進む流れが基本です。
希望の中古住宅を手に入れるには住宅ローン審査が大事
中古住宅の購入は、人生における大きな買い物のひとつです。その購入をサポートする支払い方法が、住宅ローン。希望の金額を借入するには審査が必要です。基本的な審査の流れやチェック項目などを把握して、理想の物件を手に入れましょう。広島のマエダハウジング不動産なら、不動産の案内から資金面、リフォームまで手厚くサポート。こういったプロの知識を頼って、スムーズな住宅ローン審査通過を目指しましょう。