築20年の中古物件をリフォームしたら何年住める？

必要なリフォーム箇所や費用相場を解説

　築20年の中古住宅には、いくつか魅力的な利点があります。まず、価格が新築に比べて手頃であるため、同じ予算でより広い家や好立地の物件を選ぶことができます。さらに、これらの物件は通常、発展が進んだ地域に位置しているため、交通の便が良く、商業施設や学校などの公共施設が充実しています。また、長く住んでいる住民が多いため、地域社会が安定し、新しい住民も生活しやすい環境が整っています。これらの特徴は、築20年の中古住宅が多くの人にとって魅力的な選択肢となる理由です。

■築20年の中古住宅をリフォームしたら何年住めるのか

　築20年の中古住宅をリフォームした場合、戸建てとマンションでどのくらい長く住むことができるか、以下に詳しく説明します。

≪戸建ての場合≫

1.築20年の中古戸建てのリフォーム可能性

　築20年の中古戸建ては、大きな構造的問題がなければ、リフォームを通じてさらに20年から30年快適に住むことが可能です。このリフォームには、屋根や外壁の修繕、内装の更新、設備の改善などが含まれます。これらの改修を行うことで、住宅の機能が回復され、耐久性が向上し、住み心地が良くなるため、長期的な居住が可能になります。

2.新耐震基準の適合と耐震改修の必要性

　2000年以降に建設された住宅は新耐震基準に適合しているため、築20年の中古戸建てもこれに該当する可能性が高いです。新耐震基準に適合している建物は、大地震が発生しても倒壊するリスクが低く、安全性が高いとされています。そのため、築20年の物件であっても、大規模な耐震改修の必要がない場合が多いです。ただし、具体的な状況は建物の検査によって確認する必要があります。

3.中古住宅市場の充実と環境保護意識の高まり

　中古住宅市場は近年、選択肢が増えており、多様なニーズに応える物件が存在します。また、持続可能な社会を目指し、資源を有効利用するためのリフォームが重要視されています。これは、環境への負担を減らすと同時に、経済的な利点も多いため、多くの人々が築20年の中古住宅を購入し、リノベーションを通じて長く住む計画を立てています。

　これらの点から、築20年の中古戸建ては、適切な評価とリフォームによって、安全かつ経済的にも魅力的な住宅選択肢となり得ることがわかります。

≪マンションの場合≫

　築20年の中古マンションについては、管理の良し悪しが居住期間に大きく影響しますが、一般的にはさらに30〜40年の居住が見込まれます。

　マンションの場合、建物全体のメンテナンスと運用の質が住む上でのキーポイントです。鉄筋コンクリート（RC）構造のマンションは、法的には耐用年数が47年と定められていますが、これは税務上の定義に過ぎません。実際には、適切なメンテナンスを行うことで、それ以上の期間使用することが可能です。事実、築60年を超える鉄筋コンクリート造のマンションがビンテージとして評価され、市場で取引されている例も存在します。

■築20年の中古住宅に必要なリフォームとは

　築20年の中古住宅は、構造的な健全性が保たれている限り、適切なリフォームを施すことでさらに多くの年数を住むことが可能です。リフォームの際に重要なポイントは以下の通りです。

①基礎と構造

基礎のチェックと必要に応じた補強。

構造体（柱や梁）の点検と、必要な部分の補修や強化。

②屋根や外壁

屋根の葺き替えや防水性の向上。

外壁の塗り替えやクラックの修復。

③設備の更新

配管や電気設備の更新。

暖房、冷房システムの効率化。

　更に、マンションにおいてはエレベーターや廊下、階段など共用部分のメンテナンスが適切になされているかどうかがポイントとなります。