相続した空き家、果たして売れるのか?

総務省が5年ごとに調べている2018年の住宅・土地統計調査によると、空き家は848万9千戸、空き家率は13.6%となり、ともに過去最高でした。広島県は15.1%で全国平均を上回っています。そんな空き家でお困りの方々から度々ご連絡やご相談が入ってきます。

そんな中でやはり多いのが、ご両親から相続した遠隔地の空き家です。ご本人は現役バリバリで広島市内でお仕事されており、既にお子様も立派な社会人。当然すでに持ち家もあり、今のこの環境に慣れ親しんでおり、この先もこの場所でゆっくりと生活していきたい。そんな方々が、突然の両親からの相続で遠隔地の空き家の所有者となり、このようなことを考えています。「遠方なのでメンテナンスできないな?」 「この先必要ないしどうしよう?」 「本当に売れるのかな?」 「どこに相談いけばいいのだろう?」 「広島の不動産会社が扱えるのかな?」 「地元(遠隔地)の不動産会社の方がいいのかな?」 こんなことを色々と考えていらっしゃいます。

その中で、必ず考えられていることは『本当に売れるのかな?』という疑問です。答えは簡単です。最終的には売れます。(※かなり特殊な物件は除きます)不動産業界の中には『売れない不動産はない』という言葉があります。不動産は売れるのです。どうすれば売れるのかというと、一つは販売方法や使用方法の提案が可能な限り多数できるか。要するに様々な販路を活用しより多くのお客様に物件を認識してもらい、その物件をどのように活用すればいいのか。例えば、中古戸建はリフォーム、解体して新築、不動産会社への買取り、土地は分筆して適切な面積にして、などと物件を多面的に捉えて、複数の提案をすることです。

次は価格を下げることです。物件は移動させることができないので、売れるエリア(人気エリア)には移すことは出来ません。その物件が、場所が問題で売れないのであれば、価格を下げると反響が現れます。何故かというと不動産は0円にはならないので必ず価格(価値)が付きます。その価格(価値)なりの低価格であれば、それはいわゆるお買い得なのです。購入者には経済的、物理的、精神的な利益が発生するのです。そのお買い得ラインを理解し、そこから価格を下げても売ることを優先すれば、必ず売れるということです。実際に、昨年も数件このような事例がありました。以前までは300万円で売り出していた戸建を、100万円にしたら一気に反響があり、価格を下げて1週間で売買契約となりました。この場所でのお買い得感が出てくるラインは実は150万円だったのです。売主はそれまでは「こんな場所でこんなに建物も傷んでいては絶対売れないよ、自分でも絶対買わないよ!」言われていたので、その時は驚きの言葉ばかりで、「ほんとに売れたの?」「買ってくれるの?」と弊社を疑うかようなやりとりが続きました。最後は無事売却も終わり、この先の不安もなくなり安堵の表情と笑顔でいっぱいでした。価格を下げること、また下げることを提案することは必ずしも悪ではありません。本当の悪は、このような知識を持たずに、かたくなに全く実行に移さないことです。